なぜフランス本国ではなく、ルーマニアの工房に良質なガレレプリカが多いのか、ということをよく聞かれますが、その背景の一つには、当時のガレ工房で働いていたイタリア人ガラス工芸作家モンテッシーの存在があります。
ガレの死後もその工房と職人は彼の遺族に引き継がれ装飾性の高いガラス(ガレ経営時よりも量産性の高い製品を中心として生産)の生産を続けていましたが、その後、アール・デコの台頭、世界恐慌のあおりを受け1931年に閉鎖されるに至りまいた。その後、モンテッシーはルーマニアに移り住み、彼がガレ工房で身につけた豊かな技術とその作風を伝え、多くのガラス工芸職人を育てたのです。
今日、ルーマニアにはガレ風のガラスを生産する工房がいくつかありますが、そのすべてがこのモンテッシーの伝えたガレ工房の流れを汲むものと言っても良いでしょう。GALLE COLLECTIONのガラスはこうした工房のうち、特に優れた技術を擁する二つの工房によって生産されています。
具体的な製法として、「カメオ彫り」という製法があり、これは非常に多くの時間と人手を要求するもので、3〜4色のガラス生地を重ね、耐酸性ワックスなどで文様となる部分をマスキングした上でフッ化水素と硫酸の混合液に浸け表面のガラス層を腐食させる作業を繰り返す。これにより文様を彫りだしていく製法で、今日のいわゆる先進国ではコスト的に再現不可能といってよいでしょう。
このため、現在フランスやアメリカなどで多く作られている「ガレ風ガラス」の多くは、サンドブレス製法(文様をマスキングした上で金鉱砂を吹きつけでガラスを削る手法)によるものであり、一見似たもののように見えますが、微妙な風合いや趣の点で、本来のガレの製法によってつくられた製品とは大きくことなります。
|